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鈴木 伸介; 吉川 博; 掘 利彦*; 柳田 謙一; 水野 明彦; 為実 健二*; 益子 勝夫*; 横溝 英明
Proc. of the 1993 Particle Accelerator Conf., 0, p.602 - 604, 1993/00
SPring-8の建設が1991年に始まり、入射系の線型加速器の建設が東海研に仮設置された。現在そのコミッショニングを行っており、電子銃、バンチングセクション、RFセクション、各種モニターの試験を行っている。電子銃においては1ns巾のパルスビームをSHBなしで発生させることに成功し、SPring-8の蓄積リングからの要請であるポジトロンビームを十分な強度で生成させるめどがたった。又、モジュレータのフラットトップも2.4sの巾であり、初期の計算のスペックを満たすものができている。その結果、1nsのビームを9.1MeVまで加速することに成功し、ビームサイズ等に十分な性能を有していることがわかった。これからの課題として、営業運転に適した耐久性を持つかどうかの試験を行う。
鈴木 康夫
プラズマ・核融合学会誌, 68(5), p.488 - 502, 1992/11
自由電子レーザーや放射光施設において、高輝度光の発生部として用いられるアンジュレーターについて、細いプラズマ柱の配列したものを用いる方式を考案したので報告する。2つの方式があり、一つは磁場型であり、これはプラズマ柱に流れる電流を用いてアンジュレータ力を作る。もう一つは、電場型で、プラズマ柱列によるプラズマ密度リップルと相対論的電子ビームとの相互作用でアンジュレーター力を作る方式である。本論文では、このプラズマ列の作り方、安定化法等について述べる。この方式は、ギャップ間隔を広くとれ、磁場や電場を強く作れるなど、非常に多くの利点をもつものである。
原見 太幹; 横溝 英明; 大野 英雄; 原 雅弘*; 植木 龍夫*
日本原子力学会誌, 33(4), p.310 - 317, 1991/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)兵庫県播磨科学公園都市に建設される大型放射光施設SPring-8の利用と建設計画について記述する。この施設は、産官学に広く開放される大規模共同利用研究所の役目を果たすとともに、国際的研究交流の場として外国研究者にも開放される。この施設は、材料、バイオテクノロジー、電子工学、化学、医療等広い分野の研究技術開発に寄与すると予想され、21世紀の先端技術開発に大きな貢献が期待されている。
橋本 宏*; 島田 太平; 椛澤 光昭*; 原見 太幹; 米原 博人; 永井 高久*; 荻野 晃久*; 宮原 義一
JAERI-M 91-045, 110 Pages, 1991/03
大型放射光施設シンクロトロン用各種電磁石の試作開発を実施した。本報告書ではこれらの電磁石の設計、製作、完成テストについて述べる。
中山 光一*; 鈴木 寛光; 峰原 英介; 原見 太幹
JAERI-M 91-012, 58 Pages, 1991/02
大型放射光施設計画推進室は1989年度に8GeVシンクロトロンRF系の予備設計を行なった。本報告書では、1989年度末時点で設定した設計思想および仕様等について述べる。
芦田 和雄*; 大塚 英男; 飯塚 元昭*; 原見 太幹; 横溝 英明; 鈴木 康夫
JAERI-M 90-121, 61 Pages, 1990/08
本報告書は、1988年度に行なった大型放射光施設シンクロトロン真空部の予備設計を中心に、その後の設計検討を反映した形でシンクロトロン真空系の基本設計について述べたものである。本報告書では、1989年度で設定されている設計思想、仕様等について述べ、それ以降の設計研究については次の報告書に譲ることにする。
原見 太幹; 横溝 英明; 大塚 英男; 島田 太平; 柳田 謙一; 益子 勝夫; 吉川 博; 鈴木 寛光; 椛澤 光昭*; 中山 光一*; et al.
Part. Accel., 33, p.1753 - 1758, 1990/00
科学技術庁で計画している8GeV大型放射光施設の入射系の設計について述べる。入射系は1GeVのライナックと繰り返し数1Hz、8GeVまで加速するシンクロトロン(周長396m)から成る。シンクロトロンは、レーストラック型のラティスで、8GeVで1.910m・radのナチュラルエミッタンスをもつ。このエミッタンスのビームでストレージリングに効率よく入射できる。
上坪 宏道*; 鈴木 康夫
日本原子力学会誌, 31(9), p.1007 - 1011, 1989/09
現在設計・研究開発を共同チームで行っている大型放射光施設について解説する。はじめに放射光施設建設を歴史的に見て、この大型放射光施設の位置づけを説明、次に、施設の研究利用分野、特に原子力研究分野について言及した。最後に施設の概要をまとめて解説した。
椛澤 光昭*; 中山 光一*; 原見 太幹; 島田 太平; 柳田 謙一; 横溝 英明
JAERI-M 89-109, 63 Pages, 1989/08
1988年度に行った大型放射光施設入射系の予備的検討の中のシンクロトロンを中心に、高エネルギー電子・陽電子加速用セパレート・ファンクション型シンクロトロンの基本設計について述べる。シンクロトロンのリングには、入射・出射部分や、RFキャビティのように、ビーム・サイズを小さくしなければならない機器のために、分散を消去した直線部が必要である。このレポートでは、その分散の消し方から始めて、リング内の機器の仕様を決める重要なパラメータの計算を行う。同様に、入射出射部についても、外部軌道、バンプ軌道等の計算を行って、機器の仕様を決定する。
原見 太幹
JAERI-M 89-079, 35 Pages, 1989/06
高輝度放射光施設における偏向電磁石や挿入装置からの放射光は、光ビームラインの光学機器に熱を発生させることから、そのフラックスと出力を評価しておくことは重要である。この報告は、8GeV蓄積リングの偏向電磁石と挿入装置からの放射光のフラックスと出力スペクトルを記述する。解析から次の結果を得た。(1)偏向電磁石の出力密度は水平面内で最大1.33kW/m radで、蓄積リング全体(96個分)で835kWの出力となる。(2)エネルギーシフタは、3テスラの磁場で臨界エネルギーは127.7keVである。(3)多極フィグラー(周期数40)からの光フラックス最大は1.510光子数/秒・0.1%バンド巾(100mA電流)である。(4)アンジュレータ出力密度は、前方方向で100~200kW/m rad程度となり、磁石周期数とギャップに依存する。
岡本 芳浩; 高野 公秀; 赤堀 光雄
no journal, ,
種々の核燃料物質試料の取扱いが可能なビームラインにおいて、様々なウラン酸化物試料のXFAS分析を行い、この先のデブリ関連試料の分析を念頭に置いた試験を実施した。XANESスペクトルでは、ウランが6価をとるUO、4価のUO、3価のUClの順にホワイトラインが低エネルギー側にシフトする様子が認められた。また、動径構造関数では、最近接U-O対の距離、U-U対の距離と秩序において、各試料の特徴が確認できた。これらの標準物質の結果は、L吸収端XAFS測定を実施することで、デブリ試料中の原子価と局所構造の分析が可能であることを示している。
矢板 毅; 西畑 保雄; 岡根 哲夫; 塩飽 秀啓; 藤森 伸一
no journal, ,
原子力機構は原子力の基礎基盤研究と先端原子力科学研究並びに人材育成のため、SPring-8の放射光を活用した研究をRI実験棟及び2本のビームライン(BL22XU, BL23SU)の運用により展開している。2016年の原子力機構と量子科学技術研究開発機構の分離以来、装置の入れ子状態の解消に努めてきた。これまでBL22XUの二結晶分光器システム一式の交換とQXAFSによる測定の利便性を向上させた。また、BL23SUには走査型透過X線顕微鏡(STXM)を導入した。2019年度はBL22XUの実験ハッチ3の大幅なレイアウト変更を行う。KBミラーを導入し、マイクロビームを利用可能とする。硬X線光電子分光装置(HAXPES)を常設とし、回折計をBL14B1から移設する。これにより、-XAFS, -HAXPES, CT, STXM等を併せ、RI実験棟全般のイメージング技術の高度化を実現することにより、都市鉱山からの資源回収、Cs汚染土壌の減容化、福島第一原子力発電所由来不溶性Cs粒子, デブリ, 機能性材料等の研究に対応する。
冨永 亜希; 菖蒲 敬久; 亀井 直光; 村松 壽晴
no journal, ,
機械構造物は接合部が存在し、使用環境に合わせて使う素材も多種多様である。それらを接合する技術には信頼性が要求される。レーザー加工は材質を選ばないことから、異種材料接合技術には欠かせない溶接技術として利用されることが期待される。しかしながら、接合部近傍の異種組織並びに機械的性質、異種金属間の熱膨張係数の差による応力の影響は各々考慮する必要がある。この匠の技術の計算科学シミュレーションによる汎用化を目指すため、高出力ファイバーレーザーによる炭素鋼同士の同種材溶接材及び炭素鋼と無酸素銅の異種材料溶接材内部の残留ひずみ空間分布を測定し、加工影響に関する特性を評価した。
冨永 亜希; 菖蒲 敬久; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス固化体は、放射性廃棄物の処理法として有望とされるが、多種類の元素をガラス原料内に閉じ込めているため、その物質の安定性を確認する技術構築が必要である。我々は、放射光X線を利用した応力測定技術を模擬廃液含有ホウケイ酸ガラス等に適用し、散乱X線から応力とひずみの関係を明らかにすることができた。今後、様々なガラス固化体試料への適応により、ガラス固化技術の高度化へ貢献するための一つの方法として期待する。
西畑 保雄; 塩飽 秀啓; 藤森 伸一; 岡根 哲夫; 矢板 毅
no journal, ,
原子力機構は、原子力の基礎基盤研究と先端原子力科学研究並びに人材育成のため、SPring-8の放射光を活用した研究を推進している。放射光エネルギー材料研究ディビジョンの研究を(1)アクチノイド基礎科学、(2)環境・エネルギー材料科学、(3)福島事故回復に資する研究(廃炉研究を含む)の3本柱に集約し、RI実験棟及び2本のビームライン(BL22XU, BL23SU)の運用により展開している。特に、福島環境回復に資する高度分析技術の開発と集約化に取り組んでいるところである。福島第一原子力発電所(1F)からの燃料デブリの分析に備え、許認可取得の準備を進めており、最終的には、幅広い放射性物質を取扱うことができる放射光施設として、原子力基礎研究のCOEになることを目指している。2016年の原子力機構と量子科学技術研究開発機構の分離以来、BL11XU, BL14B1に分散している装置をRI実験棟に集約し、RI実験棟の強みを生かした研究体制を強化してきた。ビームラインに設置されている装置は、文部科学省ナノテクノロジープラットフォーム事業にも供されており、2019年の外部利用率はBL22XUで24-30%、BL23SUで27-35%であった(JAEAとQST担当分を含む)。2020年は新型コロナウィルスの影響により、多くの外部ユーザーのビームタイムが秋以降にシフトしている。2019年は特に、BL22XUの実験ハッチ3については、大幅なレイアウト変更を行った。マイクロビーム利用のためのKBミラーを導入し、硬X線光電子分光装置(HAXPES)及びBL11XUより搬入したXAFS装置を常設とした。応力測定装置はそのまま残留させ、BL14B1より型多軸回折計を移設した。一方、BL23SUには、走査型透過X線顕微鏡(STXM)を設置し、現在も調整作業中である。これらの装置群により、総合的にRI実験棟のイメージング技術の高度化を実現する。また、BL23SUの表面科学実験ステーションでは、機器配線と制御機器の改修・更新による安全対策の向上と業務効率化を実現した。
冨永 亜希; 菖蒲 敬久; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 永井 崇之
no journal, ,
高レベルの放射性ガラス化物質は、保管施設で数十年、最終処分場では数万年以上にわたって監視の対象となる。長期保管には十分な構造的安定性が必要であるが、高充填化の観点から機械的および化学的完全性と両立しないことが懸念される。準備中に得られたガラスの不均一性は、ガラスの不安定性を引き起こす。残留応力は、ガラス化された材料の安定性を評価するための重要なパラメータの1つである。ひずみゲージを使用した従来の応力測定では、試験片全体の平均応力が明らかになるが、局所的な応力も変形や亀裂の原因となる可能性があるため重要である。そこで、高エネルギーシンクロトロンX線応力測定を用いた方法を開発し、ガラス化した材料の局所的なひずみを明らかにした。このことで、ガラス固化体に存在する微小な結晶質領域、また非晶質の散乱からのガラス質領域のひずみの値を分離して評価した。
平 義隆*; 岡野 泰彬*; 平出 哲也; 薮内 敦*
no journal, ,
UVSORにおいて逆トムソン/コンプトン散乱により得られる高エネルギー超短パルスガンマ線を、ガンマ線誘起陽電子消滅分光法(GiPALS)に応用した。GiPALSでは、8台のBaFシンチレーション検出器と2台のデジタルオシロスコープを用いて、半値幅140psの時間分解能を有する陽電子寿命測定システムを開発した。GiPALSは現在外部ユーザーが利用可能であり、例えば、応力負荷下での陽電子寿命その場測定が行われている。また、Ge半導体検出器を導入したガンマ線誘起陽電子消滅寿命-運動量相関(GiAMOC)測定装置の開発も行っている。さらに、パルスガンマ線の散乱が陽電子寿命スペクトルに及ぼす影響を、モンテカルロシミュレーション コードEGS5を使用して計算で評価し、手法の高度化を行っている。今後、円偏光ガンマ線を用いたスピン偏光陽電子消滅分光法の開発なども計画されている。